フクロウの家〜フクロウの本〜
1年前の今頃、この本を読んだものの
フクロウの知識は少なすぎて、あまりピンときていなかったのでブログに取り上げなかった。
ある程度のフクロウの種を知った今読むと、細かなフクロウそれぞれの特性などがわかり勉強になる。
筆者はアメリカ在住であり
「世界一賢い鳥、カラスの科学」の作者でもある。
作家、画家、彫刻家として活動しており、この本は挿絵も素晴らしい。
最初の章では、ニシアメリカコノハズクに関する内容である。
筆者が住んでいたワシントン州シアトルにある家で毎年フクロウが子育てをしていたそうだ。
この章の挿絵と脚注だが、同様の姿をオナガフクロウの雛の映像でも確認した。
写真家 嶋田忠さん ~フクロウの写真集、映像記録~ - 今日から君は自宅警備員〜フクロウ日記〜
小屋の中が暑いから顔を出していたのかとわかり、警戒心のない雛を心配しつつも微笑ましく思ってしまう。
その後の章では、筆者が取り上げたアメリカで見られるフクロウの詳細が書かれている。
メンフクロウ
野生下では寿命10年で、ある調査では死亡時の平均年齢21ヶ月で、1年目の死亡率は75%というデータがあるそうだ。
ヒガシアメリカオオコノハズク・ニシアメリカオオコノハズク、東と西で生殖地がガッツリ分かれて種も異なる。
違いを理解してなかったが詳細に書いてある。
アメリカキンメフクロウ
筆者が幼い頃衰弱した成鳥になったばかりの子を拾い、2週間ほど家で面倒を見たことが書かれている。
アメリカワシミミズク
最初の数年を生き延びることはできれば北米に生息する種の中では最も長い寿命。
野生下で28年生きた例もあるらしい。
サボテンフクロウ
サソリの毒針を取り除くことに長けている。
オナガフクロウ
発見しやすいことからハンターなどに狙われることもある。
他、コミミズク、トラフズク、アメリカフクロウ、マダラフクロウ、アナホリフクロウ、アカスズメフクロウ、カリフォルニアスズメフクロウ、ヒゲコノハズク、アメリカコノハズク、キンメフクロウ、カラフトフクロウ、シロフクロウ
などの説明がされている。
特に興味深いのは求愛行動と巣作りの項目。
想像してしまう。
事故に巻き込まれたフクロウが作者の家に運び込まれることもしばしばあるらしい。
時折死んでしまったフクロウを解剖することもあるようだ、、
フクロウに関する本には、世界各国、時代におけるフクロウの捉え方など紹介されている。
有名な話でいうと、古代ギリシャでは、知恵の女神であるアテナの肩にフクロウが乗っている絵が描かれている(ちなみにコキンメフクロウである)。
ローマでは女神アテナの名前をミネルヴァと変えている。
2020年、私が最も好きな漫画、約束のネバーランド には随所フクロウが出てきている。
また、少女たちを導いている象徴的な人の名はミネルヴァと呼ばれている。
作者はここから着想を得たんだなぁと思い嬉しくなった。
文学におけるフクロウ
神秘的な存在により物語が一層深まる。
そんな魅力的なフクロウに、私はどっぷりとハマっている。